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神農 宗徹*; 井上 敬介*; 寺岡 有殿
no journal, ,
軟X線放射光光電子分光法を用いて薄膜の膜厚測定が可能である。膜厚計算時、有効減衰長の値が必要になるが、それは実験的に求められておらず、非弾性平均自由行程の理論値で代用されることが多い。本研究では、放射光エネルギーの範囲を400-1700eVとし、Si(001)基板上に急速熱酸化法(RTO)によってSiO極薄膜を作製したものを使い、膜厚既知のものから見かけの有効減衰長を測定し、見かけの有効減衰長とIMFPの理論値の比較を行った。放射光では、Si(001)基板由来の成分、酸化膜由来の成分の他に完全に酸化していないサブオキサイド成分が観測できる。本研究では、サブオキサイドをSi(001)基板として考える場合、無視する場合、酸化膜として考える場合に分けて有効減衰長を評価した。サブオキサイドは表面近傍の酸化膜とバルクのSi(001)基板の界面付近に局在するので、本来は放射光エネルギーが高いときほど相対的にサブオキサイドの影響は小さくなるが、結果は逆の傾向を示した。これは、バルク内にある格子欠陥や不純物などの化学シフトが偶然にサブオキサイドのピークと重なり、サブオキサイドを過剰に評価しているからではないかと考えられる。